本当の世界は約束とは違う

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周りには誕生日のお祝いの意味がわかんない!と言う人が割といるけと、私はと言うとその日は積極的に祝うほうだ。文化の起源は何にしろ、誕生日は、その人が生まれてきてくれて、今ここに生きているということ、その奇跡とありがたさを改めて顧みる日だと思ってる。今日は、私が人生で初めて『推す』ことになった人の誕生日だ。私の推しはBTS 防弾少年団のボーカル、キム・テヒョン、今日で24歳(日本では23歳)になるKPOPアイドルだ。艶っぽい低音ボイスにCGVというニックネームがつくような整った顔立ちで、カリスマ的なオーラがある。その反面、お酒が飲めなくてコーラばかり頼み、コーヒーよりもホットチョコレートをのみたがり、海外公演の折には熱心に音声案内を聴きながら美術館を回るという、ギャップアイドル。

 

彼が私にくれたものは計り知れない。

 

正直、彼に出会うまで、顔のいい芸能人はみんないけすかないキャラクターだと思っていたし、歌やダンスもそこまで上手くないのでは?という本当に穿った見方をしていた。今まで出会った人たちの傾向から勝手に決めつけていた。彼を初めて見た時も、同じことを思った気がする。グループに惹かれたのはあのクオリティの高いダンスと、凝りに凝ったMVや楽曲がきっかけになったけど、推しが定まった理由はちょっと違う。

さっきも言ったように、私は顔のいい芸能人をよく思っていなかったし、彼みたいなイケイケオーラがすごいキャラクターなんて、1番避けて通るところだ。でも彼のミラクルスーパー愛らしいキャラクターは、そんな怪訝な顔をした私に痛烈なカウンターをくらわせた。

 

彼らのグループの魅力といえばそのコンテンツの多彩さだけど、その中に彼の魅力も存分に詰まっている。常時キメ顔なのに上手く話せなくて奮闘していたり、小さい子みたいに感情が顔に出ていて、にこにこしたりしょぼんとしたり忙しい。メンバー大好きが爆発するとやたらとじゃれたりふざけたり、そして怒られる。稀にママ(ジンさん)を騙してアイスを2つ貰ったりするので、ワガママな弟枠かと思いきや、メンバーに手紙を書く時や、イベントでコメントを書く時には、誰より真剣に、まっすぐな愛をもったメッセージを考える。もう何年も一緒にいる同世代の男友達相手に、あっけらかんと愛を伝える。メンバー揃ってのMV鑑賞では、最後までじっくり構成やパフォーマンスを確認する。インタビューやスピーチの際には必ず家族のことを口にする。

そんな、自由奔放で明るい、だけど不器用で律儀な、言葉で説明するとちぐはぐな彼を、私は好きになった。

 

私がそれまでそんなに興味のなかったKPOPを聴くようになり、R&Bhiphopという全く未知の世界へも挑戦するようになった。自分で破いたシャツから、個性的なデザインのブランドまで、自分が普段着ない異世界のファッションも彼を通して知って、興味を持つようになった。

それは、彼が歌ったり、好きだと言うからなのは勿論だけど、私が彼の行動を信頼しているということもある。

いたずらしようとしているとき以外は、計算して動いたりすることが下手で、あっけらかんと思うまま行動する彼の『これ、すきなんです』『これ、すごくいい』という言葉は、いつも私の目をクリーンにして、そのものと引き合わせてくれた。

作品や人や商品に対する態度が、純度100%なのだ。

だから私も、彼を通して知る世界を、曇りのない目でそのままとして見て、受け取ることが出来たのだと思う。

それは少しずつ日常の私も柔らかくしてくれた。

厳しい競争と偏見にさらされて、現実を突きつけられる毎日、関係だけ持とうとしてくる男の人達やセクハラを当たり前に思う先輩達、大人になって少しずつ会えることの少なくなった友達、どんどん変わっていく環境、明らかに荒んでいた私は、いつの間にか自分の目も濁らせてしまっていた。

 

そんな私とは違って、彼は綺麗なものを綺麗だと、楽しいことは楽しいと口にして、ロマンチックな言葉は沢山使って、好きな人には自分から連絡して、仲間たちとはハグして笑って。空気を読めてないとか、恥ずかしいぞとか、何やってんだって言われることもしばしばだけど、そんな姿に、私ももう少し自由に、自分の感性に素直に生きようと思わせてくれた。

彼には不得意な分野はあれど、とても優しい。いつも口喧嘩しているメンバー内の親友に望むことを書く欄に、「いつも幸せだったらいいな」と記していたことを知っている。ARMYへ向けて、愛を上手く伝えられないと前置きしながら、その気持ちを「雪が降ったら手袋を買ってあげたいし、雨が降ったら傘をさして守ってあげたい」と言ってくれたのを聞いて、これが愛のある人かぁと思ったのを覚えている。道端のたんぽぽを摘まずに、自分が屈んで綿毛を吹くところを見て、私も毎日誰かに優しくなれたらいいなと思えた。

上手く言えないけど、とにかく彼を見ていると、今感じていることを否定せずに済んだし、優しい気持ちになれた。誰かに優しくして嬉しいこと、好きな人には優しくしたいこと、優しくされたら嬉しいこと、嬉しかったら喜ぶことを思い出した。蕾がほころんでいくようなやわらかい笑顔につられて笑うことが多くなった。

 

もう1つ、彼は空気を読んだり常識的に振る舞うことが得意ではないけれど、そのかわりにとてもまっすぐだ。傷つけたと思ったら謝るし、伝えたくなったことは忙しくてもすぐメールする。馬鹿にしない。幼い頃、友達に1人だけ誕生日会の場所を教えてもらえなかった中で、それでもその友達にプレゼントを渡そうと何度も電話をかけたこと、行き過ぎたファンに酷く追い回されても「ボラへ」「I purple U」「紫してます」と言い続けてけてくれたこと、自分が辛くても、憎んだり悲しんだりすることだけじゃなくて、愛情を忘れない彼を見て、真っ暗だと思っていた世界が少しずつ明るくなるのがわかった。

もちろん、人を憎めないことは辛いことでもあるし、好きなことが多いほど悩むこともあるから、後で悲しくなったりしてないか心配でもあるけど、彼が臆せず今もたくさんの人と交流を持って愛し愛されているのは、紛れもなく彼の荒むことのない心が作った優しい世界だ。

 

大人になって、こんなに愛おしい気持ちが自分に生まれたり、昨日まで1ミリも聞いてこなかったジャンルの歌を車でかけり、特異な蜂のモチーフを検索するなんて思ってもみなかった。

最初は、あんなにいけすかないと思っていたくせに。

これはとても大きなことだと思う。誰かを愛おしく思うこと、1日の終わりに幸せを感じることでさえ素晴らしいことなのに、彼は新しい音楽やわくわくすることを教えてくれたし、その優しさや素直さを私に分けてくれた。

 

そんな素晴らしい、大切な彼に、これからもとても幸せでいてほしいと思う。したい時にしたい事をして、嬉しい時には嬉しいと、悲しい時には悲しいと、私達ファンの前では言っても言わなくてもいい、ただそのままでいてほしいなと思う。

突然いちご農家やサックス奏者になりたくなる日がくるかもしれない。茶色い帽子をかぶって公園に行きたい誰かができるかもしれない。その時はお知らせして欲しいけど、彼が幸せなら私も幸せだろうなあと思う。

彼のちょっと変わったかちをした不器用な優しさや、メンバーへの深い愛、ステージのために尽くしてくれた努力や、見せてくれた有り余る才能、時には傷ついても曇ることなくキムテヒョンであってくれたこと、そういうことを知っていて沢山の興奮を貰ってきたから、こういう風に思えるのだろう。

 

なにはともあれ、私は今とても幸せだということと、キム・テヒョンとして生まれてきてくれて、そして「防弾少年団」の「V」としてデビューしてくれてありがとう、と言いたい。この世に彼が生まれてきてくれたこと、ここまで生きてくれたこと、本当に嬉しい。これからもどうか健康で、そして健やかにと、彼はここまで言われることを望んではないだろうし、わざわざ公式に宛てるつもりはないけど、私は願いたい。

この、約束とは違う世界の果てで私を救ってくれた彼が、これからも、どんな時も、幸せにあふれた花道の上を歩いて欲しいと思う。できることなら、その道にずっと花を敷き詰める手伝いがしたいなと思う。

最近は大人びたと言われる彼の、Vliveで「心の中で言った」と零した彼の、MAMAのステージで号泣した彼の少しでも力になれたらいいな。

 

テヒョン 美味しいものいっぱい食べて、楽しいこと沢山してね!お誕生日おめでとう!大好き!

 

本当の世界が約束とは違う、なんてことには目もくれず、あっけらかんと笑う彼のいる素敵な世界で、いっしょに生きていける幸せに感謝して。おわり!

君の全ての答えは君が見つけだした

この場所に

君の天の川に 君の心の中に

君は僕に"最高の僕"をくれたんだ

だから君も君自身に"最高の君"をあげて

僕を見つけ出せたんだから

僕に気付いてくれたんだから

君は僕に"最高の僕"をくれたんだよ

だから君も君自身に

"最高の君"をあげられるはず

きっと見つけ出せるよ 君の中にある銀河を

( Magic Shop 日本語訳 抜粋 )